リアルショップのプライオリティーが薄れ、
さまざまな課題が浮き彫りとなってきている。
いまはどのようなお客様を担当されているのですか?
ブランドショップといわれるお店を展開する企業様です。ブランドショップとは、メゾンブランドの商品、言い換えるならブランド品を2次流通として扱うお店ですね。大型商業施設のイン・ショップという形態が多いのですが、地方では路面店もあります。
お客様は、どのようなビジネス環境下にあるのですか?
これは小売業全般、特に郊外型店舗にいえることですが、ネット通販の台頭により、リアルショップのプライオリティーが薄れてきています。結果として、さまざまな課題な浮き彫りとなってきました。
なかでも、共通する課題とは何でしょう?
「在庫」というのが、一つポイントになりますね。好調なお店は、在庫が少ないんです。売れる商品をつねに揃え、上がった利益で新しい商品を仕入れるため、店頭に並ぶ商品の新陳代謝が活発で、ご来店されるお客様にとってはいつも新鮮、目新しさがあります。当然、来店数も増え、そのことが売上へとつながるという好循環が生まれています。
対して「在庫」を抱えてしまうと、どうして不調に陥りやすいのですか?
これはとても単純な話で、在庫を抱えるほどに新しい商品を買いにくくなるからです。利益もでないので、新しい商品を仕入れる原資も乏しくなってしまう。そこで何とか在庫をさばこうと努力するわけですが、店頭に並ぶ商品に変化がなければ、どうしても新鮮味に欠けてしまいます。結果、客足が遠のき、お店は商品を仕入れても、それが新たな在庫を生むという、負のスパイラルに陥ってしまうと。